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味の観点からいくと
甘味・酸味・塩味・苦味・うま味

この五大要素が全部バランスよく有れば
絶対美味しくなるでしょう

でもこれは言い換えれば
普通に美味しいのが出来上がってしまいます。

目指すはインパクトがあって記憶に残る
それでいて美味しいカレー。

なのでこの5つの基本味に関しても
僕の『ドンシャリ』理論に当てはめてみます。

どこを強調してどこを抑えるのか?
色々試してみました。

甘味を強調すると美味しいのですが
王道カレーの方向に寄ってしまって

目指す尖ったスパイスカレー感からは
遠ざかってしまいます。

塩味を増やすと美味しく感じてしまうのですが
身体には良くないかもしれません。

なのでうちのカレーでは
苦味を推し旨味を強調することにしました。

苦味によって大人の味わいになり
国産のお肉などの自然な甘味が引き立って
絶妙にマッチします。

ですので甘味は足すのではなく
入れる材料の個性を
引き立たせるように努力しています。

#つづく

始めはわからないので
いろいろ試しに足していきますが

だんだんと
全てのスパイスが増えてきます。

どうしていいかわからなくなったら
今度は引き算してみます。

入れたスパイスを思い切って減らしてみる。
※極端な話ゼロにしてみる。

そうすることでこのスパイスは
自分のカレーには少なくても大丈夫だな。

ということがわかってきます。
逆に必要なスパイスもこの段階でわかってきます。

自分なりのドンシャリがみつかれば
あとのスパイスは微調整で大丈夫。

ドンシャリの部分以外は
引き立て役に徹してもらいます。

※つづく

僕はベースの音作りを
『ドンシャリ』にしたいと言いましたが

低音域だけでは音がボヤっとしてしまうので

低音域(ドン)を
高音域(シャリ)で包み込むようなイメージ

そのようにして低音にハリを出し
きらびやかにする感じ。

もちろん音作りもカレー作りも
正解は無いので

皆さん思い思いのイメージや
やり方で結構です。

僕にとっての『ドン』は『クミン』で
『シャリ』は『カイエンペッパー』。

『カイエンペッパー』は唐辛子です。

僕のやり方は、味の芯に
辛さをもってくるやり方なので

全く辛くないカレーを作るのは
僕にとって難しいです。

※つづく

音色と同じようにスパイスも
強調したいスパイス以外は適切に削る

欲張って多種類を多量に入れてしまいがち。

そうすると複雑な味にはなっていきますが
あまり特徴がなく案外平坦な味になってしまいます。

もちろんそれが美味しいと感じればそれが正解です
(個人差は大いにありますが。)

例えば『クミン』を多く入れてみる
そして他はほどほどに減らしてカレーを作る。

そこで『クミン』好きかも!と感じたら
『クミン』が『ドン』※前文参照

今度は同じように『コリアンダー』を試す。
うーん違うかな?と思ったら

次は『カルダモン』を試してみる。
お!コレいいかも!ってなったら

『カルダモン』が『シャリ』※前文参照

もちろんこのように簡単に
自分にとっての『ドンシャリ』が見つかるかどうかはわかりませんが

こんな実験を繰り返しながら
自分が好きなスパイスを見つけていきましょう。

※つづく

僕は中学二年生からベースという楽器を初めて
多くの経験をし

トライバルカリーを始める直前まで
音楽の専門学校で長年レッスンをさせていただいてました。

なので僕は
『カレー作り』と『音作り』は似ていると感じていたのです。

ベースの音色にも好みがあります。

きらびやかな音だったり攻撃的な音だったり
暖かい音だったり。

僕はその中でも
通称『ドンシャリ』と言われる音が好きでした。

『ドンシャリ』を簡単にいってしまうと
低音域と高音域を強調した音。

『ドン』が低音域で
『シャリ』が高音域のこと(ざっくりですが)

だから簡単に言ってしまうと中音域をカットするんです。
(本当はもっと複雑ですが今はざっくり)

その中音域が不必要だからカットするのか?
と言われればそうではありません。

中音域も非常に大切な音域なので
本当ならココもしっかり出したい部分ではあります。

でも低音域も高音域も中音域も全部出したい!
だから全部上げるんだ!と言って上げてしまうと

ただヴォリュームが上がっただけ。
※厳密に言うと少し違いますが。

結局、凹凸の無い
平坦な音色になってしまいます。

※つづく