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『初めてのスパイスカリー』

■その店内は独特で、相席は当たり前
メニューは手書きのクリアファイル一枚(当時)

チキン、キーマ、ラムだったかの
三種類から、友達おすすめのチキンを。

注文してから10分経っても来ない
15分経っても来ない。

でも誰も何も言わないので
大人しく待っていると

20分後くらいにようやく到着したその姿は
これまで見たこともないような

銀のワンプレートに、黄色いご飯
赤い油に浸かったチキン

そして野菜スープと漬物風のもの二切れ。
いったいこれは何なんだ。

友達にカレーだと言われたから来てみたのに
明らかに違う。これは今までのソレとは程遠い。

こんな裏切られ方は初めてだ。
…っていうかそもそもキーマって何なんだ?(当時)

仕方なくスプーンでチキンを一口。
正直、違和感だらけで美味しいかどうかすらわからない。

そして辛い!辛すぎる!
慌てて野菜カリーを食べると熱い!熱すぎる!

いや、野菜が熱いのではなく
チキンが辛すぎるのだ!

そして水を飲み干し
漬物風(アチャール)のソレを一口

これは最高の箸休めに思えた(スプーンだけど)

しかし残り一切れ!

ヤバイ!

でも友達は平然と食べている。
ここで辛いとは言えない

友達二人が食べ終わりそうになる中
僕も必死にかきこんだ。

もう二度とここに来ることは無いだろう。

『音楽専門学校時代』

■「カレー食べに行こうぜー。」

プロミュージシャンを目指す僕たちの学校の近くに
そのお店は在りました。

「aki辛いの食べれる?」
「もちろん!」

そのお店は異空間でした

そこは11:30オープンで
その時間にはもう10人くらいの行列が

そもそもなぜ路地裏の
そんなところにお店があるのか

なぜそんなところにもかかわらず
行列ができているのか

すべてが不思議だったし
並んで食べるなんて…。

でも友達が少なかった僕にとって
貴重な誘いでもあったので仕方なく待ちました。

空腹もいよいよピークに達しようとしたところ
僕たちの入店が許可され

中では聴いたこともないような
でもインドだとわかる音楽に

嗅いだこともないような香り。
それは今までのカレーとは明らかに違っているし

何より店内が暗く
普通の飲食店のそれとは全てが違っていました。